13th Note (5) ハイジの国から来た男。【電子書籍】[ 大江 千里 ]
<p>ハネスに出会ったのは、アートブレイキー・アンサンブルのオーディションの教室だった。
ハイジの国から来たこの男は、ベース担当、人懐こくて、プロデュース能力に長けていた。
スイスではビックバンドの指揮もしていたという。
ハネスがベース、ミチがバイオリン、そして僕がピアニカでトリオを組むことになった。
初夏のある日曜日、ハウストンストリートの教会の前で僕らは路上デビューする。
※第1回目は、ほぼ30分を3回やった。
初回にしては上出来だろう。
「イパネマの娘」「ニューヨーク ニューヨーク」「星影のステラ」など。
左右の店の人たちに感謝の挨拶をしてから楽器を片し、ハウストンストリートを少し西に行ったところのカフェに入る。
「ケースに入ったお金いくらだった?」「1人、20ドルぐらいかな」「おお、悪くないじゃん」「全然、悪くない」ーー本文より。
※オーディションには落ちたものの、新しい出会いがいくつもあった。
50歳の音大生・大江千里。
青春と呼ぶに等しい時間の中でNYジャズ留学第5弾は路上ライブ中継です【読了時間 約30分】大江千里■1960年9月6日大阪生まれ。
1983年デビュー。
2008年、ジャズピアニストを目指し愛犬と共にNYへ。
ジャズアルバム『boys mature slow』『Spooky Hotel』をリリース。
東京ジャズフェスティバルには2年連続出演。
現在は米国内で積極的なライブ活動を展開中。
NYジャズ留学の前半を綴った『9th Note』12冊、日本家屋体験エッセイ『僕の家』4冊を配信中。
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